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1581.ヴェネツィアを象徴する黒い船・ゴンドラ。【ヴェネツィア ~第二の故郷~ 第16回】

2025/09/15

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ヴェネツィア ~第二の故郷~

ヴェネツィア ~第二の故郷~

私はイタリアの「水の都」と呼ばれる街、ヴェネツィアに約1年間留学した経験があります。

『ヴェネツィア ~第二の故郷~』と題した本企画は、私がヴェネツィア留学の思い出をヴェネツィア出身という設定のオリジナルキャラクター「マルコ」「キアーラ」とともに語っていく企画です。

それでは今回も前回に引き続き、マルコとキアーラにいろいろと語っていただきましょう。

ゴンドラ

15回目の今回は「ゴンドラ(gondola)」について書いてみます。

こちらの画像の乗り物がゴンドラです。私は観光客としてではなく留学生としてヴェネツィアに滞在していたこともあり乗ったことはないのですが、このようなゴンドラに乗っている人々を至るところでお見かけいたしました。

それでは、今回もマルコとキアーラのお二人にゴンドラについて解説していただきましょう。

マルコとキアーラによる解説

ヴェネツィアのゴンドラに乗っているマルコとキアーラ。

(画像はイメージです。)

※これらのキャラクターのイラストはChatGPTにより制作したものです。セリフの文章もChatGPTで生成したものに私が手を加えております。解説される歴史的内容は諸説ある場合があります。参考程度にご覧くださいませ。

この色が右にいる男性・マルコの発言です。

この色が左にいる女性・キアーラの発言です。

そしてこの色は私による文章です。

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チャオ、マルコ!チャオ、キアーラ!ヴェネツィアで有名な船といえばやっぱりゴンドラですよね。黒いゴンドラが運河をゆったりと進む様子は見ているだけでもうっとりします。そんなゴンドラについて解説してみてください!

チャオ!今日はヴェネツィアといえば誰もが思い浮かべる「ゴンドラ」について話そうか。細長い黒塗りの船が静かに水面を滑る姿は、まさにヴェネツィアの象徴だよ。観光客はもちろん、僕ら地元の人にとっても誇りなんだ。

そうね、マルコ。ゴンドラはただの観光用の船じゃなくて、かつてはヴェネツィア市民の主要な移動手段だったのよね。中世から近代にかけて、街には数千隻ものゴンドラがあったと言われているわ。今は数百隻に減ったけれど、その代わり観光のための特別な体験として大切に残されているの。

確かに、ゴンドラのデザインはとても独特なんだ。全長はおよそ11メートル、幅はわずか1.4メートルしかない。しかも左右非対称に作られていて、漕ぎ手である「ゴンドリエーレ」が片側だけで漕いでも真っすぐ進めるようになっているんだよ。見た目の優雅さだけじゃなく、機能美も兼ね備えているんだ。

そして、船首に付いている「フェッロ」と呼ばれる鉄の飾りも有名ね。あれは単なる装飾じゃなくて、ヴェネツィアの象徴を表しているの。6本の歯のような部分は6つのセスティエーリ(地区)を意味し、上の部分の曲線はリアルト橋を表していると言われているのよ。歴史や文化が船そのものに刻まれているって素敵じゃない?

ああ、本当にそうだ。しかも、ゴンドリエーレたちはただ漕ぐだけじゃなくて、歌やジョークで乗客を楽しませるんだ。カンツォーネを歌いながら運河を進むゴンドラに乗れば、まるで映画の中に入り込んだ気分になるんだよ。

特に夕暮れ時のゴンドラは最高よね。運河に夕日が反射して黄金色に輝く中、ゴンドラが静かに進むのは本当にロマンチック。恋人同士で乗る人が多いのも頷けるわ。結婚記念日やプロポーズの舞台に選ばれることもあるのよ。

ただし、忘れちゃいけないのはゴンドラは観光用だけじゃないってことさ。今も「トラゲット」と呼ばれる短距離の渡し船として使われているんだ。観光客も地元の人も気軽に乗れるし、値段もリーズナブル。観光ゴンドラとはまた違った体験ができるんだよ。

なるほどね。ゴンドラは過去の遺産じゃなくて、今も形を変えて街の生活に息づいているのね。それに、職人たちが一隻一隻手作業で作っているのもすごいわ。木材の選定から細部の調整まで、全てが伝統に基づいて行われているのよね。だからこそ、あの優美なフォルムが生まれるのだと思うわ。

そうだね。ゴンドラはただの船じゃなくて、ヴェネツィアそのものを表現する芸術作品なんだ。運河に浮かぶ黒いシルエットは、過去と現在をつなぎ、訪れる人々の心をとりこにしてきた。そして、これからもヴェネツィアの風景に欠かせない存在であり続けるんだよ。

ええ、まさに「動く歴史」とも言えるわね。ゴンドラに乗ると、ヴェネツィアの時間の流れそのものを感じられる。だから私たちはゴンドラを誇りに思っているし、訪れる人にぜひ一度は体験してほしいと思うのよ。

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マルコ、キアーラ、グラツィエ!(ありがとう!)

なるほど・・・ゴンドラが左右非対称に作られていて、そのことにより片側だけ漕いでも進めるようにできているという点は興味深いですね。

ヴェネツィアの街並みを歩いてると、何度もゴンドラに遭遇します。ゴンドリエーレの方がカンツォーネを歌っている光景には、実にヴェネツィアらしい雰囲気を感じたものです。

こちらの画像がお話にも出てきた船首にある「フェッロ」です。正式にはフェッロ・ディ・プルーア(ferro di prua)と呼ばれ、このように6本の歯のようなものがあるデザインをしております。

今は観光用という側面が強いゴンドラですが、かつてヴァポレット(水上バス)などがなかった時代は市民の主要な移動手段だったのですね。

現代では観覧車やロープウェイなどの人が乗り込む部分のこともゴンドラと呼びますが、そのゴンドラの語源はこのヴェネツィアの船なのです。

また、日本では『ゴンドラの唄』という歌謡曲がありますね。「いのち短し 恋せよ乙女」で始まる楽曲です。黒澤明監督の映画『生きる』でも主演の志村喬が劇中でブランコに乗りながらこの歌を口ずさむことが印象深いです。この歌のゴンドラも、ヴェネツィアのゴンドラであると言われております。

他にも例えば山口百恵の『夢先案内人』など、日本の歌謡曲でもヴェネツィアのゴンドラが登場する楽曲があります。

このようなゴンドラに関する作品に触れると、私は第二の故郷であるヴェネツィアを思い出すのです。

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それではまた次の回で。チャオ!

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お読みいただき、ありがとうございました。

ヴェネツィアのことでお尋ねしたいことがございましたら、私でよろしければこちらからお気軽にどうぞ!