1759.【当事者が語る】F1カーのエンジンと、自転車のタイヤ。【僕は発達凸凹とともに、前を向いて生きていく。第111回】
2026/02/09
※この記事での私の特徴は自閉スペクトラム症(ASD)や発達性協調運動症(DCD)当事者の特徴のうちの、ほんの一例です。全ての神経発達症(発達障害)当事者に当てはまるわけではなく、特徴は十人十色だということをご理解いただけると幸いです。また、このシリーズにおける凸凹とは、凸が得意なことや強み、凹が苦手なことや困難を感じること、という意味合いで用いています。
本記事の著者による講演動画
こちらの講演会の資料など詳細は、こちらの記事をご覧ください。
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F1カーのエンジンと、自転車のタイヤ。
このタイトルは、これから車の話をするわけではなく私の特性の例えです。
こちらは私が受けた知能検査『WAIS-III』の結果です。
このグラフの真ん中にある数値『言語理解』が126と平均(100)を大きく上回っているのに対し、『処理速度』が81と平均を大きく下回っています。そして、この2つの能力の差が45もあります。
この2つの大きすぎる能力差(ディスクレパンシー)は以下の画像で例えられます。
こちらの画像は実在するものではなく生成AIにより生成したものですが、F1カーのエンジンを積んでいるにもかかわらずタイヤは自転車のものであり、非常にアンバランスな性能を持つ車のイラストです。
これが、私の能力差を例えているイラストなのです。
非常に高い言語能力(F1カーのエンジン)があるにもかかわらず、それを使って身体を動かすタイヤ(処理速度)が自転車並みの性能しかありません。(自転車自体は素晴らしい乗り物ですが、F1カーのエンジンとは釣り合いません。今回はそういう例えです)
つまり、私は頭で考えていることをうまく実行することに強い困難を感じることがあります。
私のようなタイプの人間は、ASD(自閉スペクトラム症)の診断名だけでなくDCD(発達性協調運動症)の診断名もつくことがあります。DCDについてはよろしければこちらの連載をご覧くださいませ。
頭で考えているようにうまく行動して、人に合わせていくことがなかなかできずに生きづらさを抱える、私はそういうタイプです。
一般的に言語理解が高い人は処理速度も高いとみなされます。そのため、私の作業がぎこちないと「サボっている」と誤解されてしまうこともあるのです。決してサボっておらず真面目にやっているのですが・・・。そのことについて書いた記事はよろしければこちらをご覧ください。体育の授業で周りのペースについていけず、大勢の前で体育教師から叱責された苦い経験を述べています。
私のように言語理解と処理速度に45もの差がある人は非常に稀だそうです。そのため周りになかなかわかってもらえず、生きづらさを抱えてしまう傾向にあります。この私の特性に理解があり、私の強みを活かしてくれる人とどんどん仕事をしていきたいものです。
それでは、今回はこちらの方にも解説していただきましょう!言語理解と処理速度の大きな格差で何が問題になるか解説していただきます。
凸凹です。よろしくお願いします!
(凸凹さんは私が制作したオリジナルキャラクターです。『凸凹さん』公式サイトはこちら)
凸凹さん、私は言語理解と処理速度に大きな差があり、『F1カーのエンジンと自転車のタイヤ』に例えられるほどアンバランスな能力差があります。このことでどういう問題が起こり得るかを解説してみて!
まさにその画像通り!すごいエンジンと、かわいいタイヤの物語
こんにちは! 凸凹さんだよ。うわあ、この「F1カーのエンジンを積んだ自転車」の画像、ものすごくインパクトがあるね! キミの頭の中で起きていることを、これ以上ないくらいわかりやすく表現しているよ。
資料を見せてもらったけど、キミの能力は「言語理解(VC)」が126とものすごく高いのに、「処理速度(PS)」は81。その差はなんと45もあるんだね。これはまさに、時速300kmで走れるスーパーカーのエンジン(思考)を積んでいるのに、タイヤは自転車(出力)がついている状態なんだ。このアンバランスさが原因で、どんなトラブルが起きやすいのか、ボクと一緒に見ていこうか。
1. 頭の回転に、口と手が追いつかない「思考の渋滞」
まず起きるのが、頭の中と外の世界のスピード違反だよ。キミの頭の中では、F1エンジンのパワーで次々と言葉やアイデアが浮かんでいるのに、それを「話す」「書く」という自転車のタイヤで出力しようとすると、どうしても追いつかないんだ。
だから、話そうとすると言葉がつっかえちゃったり、話題が飛び飛びになったりして、「何を言っているかわからない」って言われちゃうことがあるかもしれないね。書くときも同じで、書きたいことは山ほどあるのに手が遅いから、イライラしたり、内容が抜け落ちちゃったりすることもあるんじゃないかな。
2. 「できるはず」という期待と、「できない」現実のギャップ
周りの人は、キミの立派なF1エンジン(高い理解力やおしゃべりの内容)を見て、「この人はすごく仕事ができる!」って期待しちゃうんだ。でも、いざ事務作業や単純な手作業(タイヤを使う部分)を頼むと、自転車のスピードしか出せない。
そうすると、「なんでこんな簡単なことができないの?」「手を抜いてるんじゃない?」って誤解されやすいんだよ。これ、とっても悔しいし、傷つくよね。キミはサボってるわけじゃなくて、タイヤが焦げ付くくらい必死に漕いでいるのにね。
3. ケアレスミスと「先延ばし」の罠
自転車のタイヤで高速道路を走ろうとすると、ハンドル操作が大変だよね。それと同じで、単純なチェック作業や書き写しは、キミの脳にとってものすごくエネルギーを使う作業なんだ。
だから、頭ではわかっているのに、書類のチェック漏れや入力ミス(ケアレスミス)が増えちゃうことがある。それに、その作業が大変だって無意識にわかっているから、「やりたくないなぁ…」ってギリギリまで手を付けられない「先延ばし癖」が出てしまうこともあるんだよ。
まとめ:タイヤを太くするより、エンジンを活かす工夫を!
こうやって見ると、キミが感じてきた「生きづらさ」は、性格のせいじゃなくて、この「F1エンジン × 自転車タイヤ」というマシンの構造から来る「摩擦熱」だったんだね。自転車のタイヤで無理やりF1レースに出ようとすると、疲れ果てちゃうのは当たり前だよ。
大切なのは、タイヤを無理やり太くしようと努力することよりも、その素晴らしいエンジンを活かせる環境を作ることだね。キミのそのパワフルなエンジンは、宝物なんだから!
(文字色が異なる凸凹さんの発言は生成AIにより生成したものを私が修正したものです。より厳密な専門性を求める方は専門書などをご覧ください。)
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凸凹さん、解説ありがとうございます!
『話そうとすると言葉がつっかえちゃったり、話題が飛び飛びになったりして、「何を言っているかわからない」って言われちゃうことがあるかもしれないね。書くときも同じで、書きたいことは山ほどあるのに手が遅いから、イライラしたり、内容が抜け落ちちゃったりすることもあるんじゃないかな。』←特にかつての私は本当にうまく喋れませんでした。今も口下手ですが、これでも改善したほうなんです。そして、手書きだと本当に文字を書く速度は遅いですね。思考に手書きの速度が全然ついていけていません。しかしキーボードで文字を打つのは私は比較的できます。手書きに比べて入力速度が思考についていけています。ただ・・・音声入力は本当に不得意です。言葉がつっかえがちで、スラスラと話すことがうまくできないことがよくあります。
『周りの人は、キミの立派なF1エンジン(高い理解力やおしゃべりの内容)を見て、「この人はすごく仕事ができる!」って期待しちゃうんだ。でも、いざ事務作業や単純な手作業(タイヤを使う部分)を頼むと、自転車のスピードしか出せない。』←そうなんですよ・・・。これだけスラスラと様々な文章を書くことができる言語能力に対して、一般的に簡単と言われる事務作業をやろうとすると速度が非常にゆっくりとなり、思うような結果が出せません。私は本気でやっていても、「手を抜いている」と誤解されがちです・・・。
『単純なチェック作業や書き写しは、キミの脳にとってものすごくエネルギーを使う作業なんだ。』←そうなんです。単純だと思われる書類のチェックにすら余分なエネルギーを使ってしまうことがあり、すぐにできることでも取り掛かるのが億劫で先延ばしにしがちなところはありますね・・・、とはいえ「やらなければ」という念が強くなっていくにつれ期限に余裕を持って終わらせます。
大切なのは、タイヤを無理やり太くしようと努力することよりも、その素晴らしいエンジンを活かせる環境を作ることだね。キミのそのパワフルなエンジンは、宝物なんだから!』←私のように、言語理解と処理速度の大きすぎる差で「F1カーのエンジンで自転車のタイヤ」のような脳の特性を持って生きている人々への理解が進むことを願います。私自身がその特性で大変ですが、同じように大変な思いをしている人々が他にもいらっしゃることでしょう。そういった方々に向けても理解が進んでいくことを心より願います。
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これからも、ASD・DCD当事者として発達の特性について様々なことを情報発信していきます。
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お悩みの皆さまや周りの方々は、私でよろしければこちらからお気軽にご相談くださいませ。
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お読みいただき、ありがとうございました。