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1761.【当事者が語る】私たちはどう特性を説明するか【僕は発達とともに、前を向いて生きていく。第113回】

2026/02/11

僕は発達凸凹とともに、前を向いて生きていく。紹介

※この記事での私の特徴は自閉スペクトラム症(ASD)や発達性協調運動症(DCD)当事者の特徴のうちの、ほんの一例です。全ての神経発達症(発達障害)当事者に当てはまるわけではなく、特徴は十人十色だということをご理解いただけると幸いです。また、このシリーズにおけるとは、が得意なことや強み、が苦手なことや困難を感じること、という意味合いで用いています。

本記事の著者による講演動画

こちらの講演会の資料など詳細は、こちらの記事をご覧ください。

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私たちはどう特性を説明するか

私は本連載でASDやDCDの診断名を踏まえて、自身の特性についていろいろ書いております。

前回の記事でも述べたように、診断名や検査結果などは参考程度にとどめておくべきだというのが私の考えです。

筆者が受けたWAIS-III(2018年)

WAIS-IIIの結果

とは言えこの検査結果を見ると私はいかに生きづらいが一目瞭然です。能力に差がありすぎます。

つまり私は診断名やこの検査結果を「参考資料」として説明することでしょう。このグラフでわかることはグラフから説明し、グラフではわからない部分(口で話すよりキーボードで文字入力をするほうが得意)などは個別に説明することが重要になってくると思われます。

・・・とは言えどれだけ私が説明しても、特性にある程度理解を示してくださるかは相手次第です。

このグラフで示されている『言語理解』と『処理速度』の45という圧倒的な差を説明する際には、最近度々記事に登場させているこちらの画像が役に立つことでしょう。

F1エンジンに、自転車のタイヤ。

このような、F1のエンジン(高い言語理解)なのにタイヤは自転車のもの(低い処理速度)という非常にアンバランスな車の画像です。実際にはこんな車、あり得ませんよね(生成AIによる画像です)。

そんな実際にはあり得ない車のようなアンバランスな能力を持つのが私なのです。

・・・この記事だけではなかなか、説明するのは難しいですね。これまで連載してきた連載『僕は発達とともに、前を向いて生きていく。』のこれまでの記事やDCDに特化した連載『転んでも、また起きる。 ~DCだるまが教える「5%の不器用さん」たちの話~』をありがたいことにお読みいただいても、なかなか実感が沸かないことでしょう。

もし読者の皆さまが実際に私と関わることがあったら、私がなかなか瞬時に言葉が出てこなかったり、様々な動作がぎこちなかったりして、「そういうことか!」と思っていただけるかもしれません。

それでは今回も、オリジナルキャラクターの『さん』に自身の特性をどう説明するかのヒントをいただきましょう!

オリジナルキャラクター『凸凹さん』

です。よろしくお願いします!

さんは私が制作したオリジナルキャラクターです。さん』公式サイトはこちら

さん、私の特性を周りにどう説明したら良いか、考えてみてください!

キミだけの「取扱説明書」を渡してみよう!

こんにちは! さんだよ。周りの人に自分のことを伝えるのって、勇気がいるよね。でも、キミが教えてくれた「F1エンジンと自転車のタイヤ」の話や、「キーボードならF1みたいに走れる」という事実は、相手にとっても「なるほど!」と目からウロコが落ちる話だと思うんだ。

誤解されがちなキミの本当の姿を知ってもらうために、いくつか説明のパターンのアイデアを持ってきたよ。自分にしっくりくる言葉を選んでみてね!

1. あの「名画像」を言葉にしてみる

まずは、あの画像(F1エンジン×自転車)のイメージをそのまま伝えてみるのはどうかな? これが一番、キミの「もどかしさ」と「ポテンシャル」を同時に伝えられるはずだよ。

【伝え方の例】 「私、頭の中ではすごいスピードで考えているんですけど(F1エンジン)、それを口に出したり手で書いたりするスピードが追いつかないんです(自転車のタイヤ)。だから、会話のテンポがズレたり、黙り込んでしまったりすることがあるかもしれません。でも、頭の中はフル回転してるんですよ!」

2. 「キーボード=最強の武器」だと宣言する

一般的な「処理速度が低いとパソコンも苦手」というイメージを、キミらしい方法で書き換えてもらおう。これが伝われば、仕事やコミュニケーションがぐっと楽になるはずだよ。

【伝え方の例】 「一般的な傾向とは違って、私は喋るよりも『キーボードで打つ』方が、自分の考えをスムーズに伝えられるんです。口下手に見えるかもしれませんが、チャットやメールなら、本来の私(F1エンジンのスピード)でお話しできます。だから、大事な相談は文章でさせてもらえると嬉しいです!」

3. 「無口」の理由をあらかじめ伝えておく

黙っていると「怒ってる?」「興味ない?」って勘違いされちゃうのが一番辛いよね。だから、先手を打って「仕様」だと伝えておくのも手だよ。

【伝え方の例】 「考えを言葉にするのに、人より少し時間がかかる『変換の時間差』があるタイプなんです。すぐに返事ができなくても、無視しているわけじゃなくて、頭の中で一生懸命言葉を探している最中です。少し待ってもらうか、後でテキストで送らせてもらえると助かります」

まとめ:わかってもらえると、世界はもっと優しくなる

こうやって言葉にすることで、「なんだ、そうだったのか!」って安心してくれる人はきっと多いはずだよ。キミは「できない」んじゃなくて、「得意なルート(キーボード)」が他の人と少し違うだけ。

そのルートさえわかってもらえれば、キミのF1エンジンはみんなの役にも立つ素晴らしい力になるんだ。まずは信頼できる身近な人に、この「取扱説明書」をそっと渡してみるのはどうかな? ボクも応援しているよ!

(文字色が異なるさんの発言は生成AIにより生成したものを私が修正したものです。より厳密な専門性を求める方は専門書などをご覧ください。)

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さん、解説ありがとうございます!

『あの画像(F1エンジン×自転車)のイメージをそのまま伝えてみるのはどうかな? これが一番、キミの「もどかしさ」と「ポテンシャル」を同時に伝えられるはずだよ。』←なるほど・・・話がわかる方であれば良いですが、意地悪な人もたくさんいるのがこの社会ですからね。「タイヤもF1にできないの?」とか言われそうですね(苦笑)。まぁ、わかってくれない人とは距離を置けるならば置くのが良いですね。

『一般的な「処理速度が低いとパソコンも苦手」というイメージを、キミらしい方法で書き換えてもらおう。これが伝われば、仕事やコミュニケーションがぐっと楽になるはずだよ。』←口頭よりパソコンで入力した文章のほうが向いていることは、私の場合は必ず伝えたほうが良いですね。口頭よりこうやってパソコンで書いた文章のほうがより頭の中で考えていることを正確に表現できます。

『「考えを言葉にするのに、人より少し時間がかかる『変換の時間差』があるタイプなんです。すぐに返事ができなくても、無視しているわけじゃなくて、頭の中で一生懸命言葉を探している最中です。少し待ってもらうか、後でテキストで送らせてもらえると助かります」』←私は口頭で尋ねられたことに返事をすることに周りの人々よりかなり時間がかかってしまうことがあります。こうやって説明することを練習することは良い戦略になるかもしれませんね。

『そのルートさえわかってもらえれば、キミのF1エンジンはみんなの役にも立つ素晴らしい力になるんだ。まずは信頼できる身近な人に、この「取扱説明書」をそっと渡してみるのはどうかな?』←自分なりの『取扱説明書』を作ってそれを説明することで、話のわかる方であれば理解を示してくださるかもしれません。新たに知り合う方に、試しに今回の内容を説明してみるといろいろとわかることがあるかもしれませんね。

今回は私自身を例に、『自身の特性をどう説明するか』について考えてみました。もちろん、自分の特性を相手に説明しますから、私も相手の特性の理解に努めてコミュニケーションをとっていきたいです。「自分を相手に知ってもらう」からには、「自分も相手を知る」努力をします。

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これからも、ASD・DCD当事者として発達の特性について様々なことを情報発信していきます。

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お悩みの皆さまや周りの方々は、私でよろしければこちらからお気軽にご相談くださいませ。

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お読みいただき、ありがとうございました。