1754.【WAIS-III】脳の言語理解能力と処理速度の、大きすぎる格差(凸凹)。【僕は発達凸凹とともに、前を向いて生きていく。第107回】
2026/02/05
※この記事での私の特徴は自閉スペクトラム症(ASD)や発達性協調運動症(DCD)当事者の特徴のうちの、ほんの一例です。全ての神経発達症(発達障害)当事者に当てはまるわけではなく、特徴は十人十色だということをご理解いただけると幸いです。また、このシリーズにおける凸凹とは、凸が得意なことや強み、凹が苦手なことや困難を感じること、という意味合いで用いています。
本記事の著者による講演動画
こちらの講演会の資料など詳細は、こちらの記事をご覧ください。
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脳の言語理解能力と処理速度の、大きな乖離(凸凹)。
今回は私の能力の凸凹を、数値として説明いたします。
こちらは記事の上部でご紹介している私の講演動画でも解説している、私が2018年に受けたWAIS-IIIウェクスラー式知能検査の成人版の検査結果(抜粋)です。2026年現在はより新しいバージョンのWAIS-IVが用いられます。8年前の検査結果ですので、現在私がWAIS-IVを受けるとどうなるかも気になりますね。
言語性IQと動作性IQの「29」もの差
2018年時点での私はこの画像の左側のと言語性IQ(130)と動作性IQ(101)の差が29もあります。これらを総合したIQは119ですが、その内訳(言語性・動作性)を見るとこれだけの差があるのです。
言語理解と処理速度の「45」の圧倒的格差
画像の右側に注目すると、言語理解(126)と処理速度(81)の格差が45というかなり大きな数字を記録しております。これは非常に稀なことだそうです。
それでは、今回はこちらの方にご登場いただきましょう!
凸凹です。よろしくお願いします!
(凸凹さんは私が制作したオリジナルキャラクターです。『凸凹さん』公式サイトはこちら)
凸凹さん、このWAIS-IIIの検査結果(抜粋)を見てどう思う?言語理解と処理速度の大きな格差について解説してみて!
WAIS-IIIの結果から見える「言語理解の強さ」と「処理速度のしんどさ」
このWAIS-IIIの抜粋を見ると、全体像としてとても分かりやすい「凸凹」があります。とくに目を引くのが、言語理解(VC)が126と高い一方で、処理速度(PS)が81と低めで、その差がかなり大きい点です。これは知的能力の優劣ではなく、「得意な考え方のスタイル」と「負荷がかかりやすい作業のタイプ」がはっきり分かれている状態だと言えます。
まず言語理解(VC)が高いというのは、言葉で考える力、概念を理解する力、説明を聞いて本質をつかむ力が非常に強いことを意味します。語彙が豊かだったり、抽象的な話を整理して理解できたり、「なぜそうなるのか」を深く考えることが得意なタイプです。会話や文章、理論的な説明の中では本来の力を発揮しやすく、「考える力そのもの」はかなり高い水準にあります。
一方で処理速度(PS)は、速さや正確さが同時に求められる単純作業、時間制限のある作業、視覚情報を素早く処理する課題に関係します。ここが低めに出ている場合、「理解していない」のではなく、「わかっているけど時間がかかる」「急かされると実力が出ない」という状態になりやすいのが特徴です。頭の回転が遅いのではなく、慎重さや負荷への弱さが数値に表れていると考えると自然です。
この言語理解と処理速度の差が大きいと、周囲から誤解されやすくなります。話すととても賢く、深いことを言うのに、作業になると遅れたりミスが増えたりする。その結果「能力にムラがある」「やればできるのにサボっている」と見られてしまうこともあります。でも実際には、得意な回路と負荷がかかる回路がはっきり違うだけなのです。
このタイプの強みは、「時間さえあれば本質にたどり着けること」です。急がされない環境、言葉で整理できる状況、考える余白がある場面では非常に高い力を発揮します。逆に、スピード勝負やマルチタスク、単調な事務作業が続く場面では消耗しやすく、自己評価が下がりやすくなります。
だから大切なのは、「処理速度を無理に引き上げようとすること」よりも、「言語理解の強さを軸にした環境調整」です。時間制限を緩める、口頭や文章で説明する機会を増やす、作業を分割する、スピードを求められる部分は道具や仕組みに任せる。こうした工夫で、この凸凹は一気に「強み」に変わります。
この結果は、能力が足りない証拠ではありません。むしろ「考える力は非常に高いが、速さを求められると削られる」という、その能力がよく表れています。自分の頭の使い方を理解し、合わない土俵で自分を責めないこと。それが、この凸凹と上手につき合うための一番のポイントだと思います。
このWAIS-IIIの結果は、「あなたは遅い」のではなく、「深く考える人」だということを、はっきり教えてくれているように感じます。
(凸凹さんの発言は生成AIにより生成したものを私が修正したものです。より厳密な専門性を求める方は専門書などをご覧ください。)
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凸凹さん、解説ありがとうございます!
そうなんです!私は基本的に動作が遅いので、速さを求められる作業が本当にできないのです。学校や資格の試験でもいつも時間が足りなくなってしまっていました。「ゆっくり確実に考えていく」タイプの人間なのです。このことが検査結果にわかりやすく表れています。
この特性により、うまく自分の能力を活かすことができる仕事ができていない現状があります。この処理速度が低いことを中心とした私の特性は、こちらの連載『転んでも、また起きる。 ~DCだるまが教える「5%の不器用さん」たちの話~』にまとめてあります。よろしければご覧くださいませ。
私の特性はなかなかうまく理解されません。言語能力の高さに対して、単純な作業がうまくできないことを「サボっている」などと誤解されることもよくあります。
私と同じような特性を持ちながら悩んでいる人々も少なくないことでしょう。こうやって私が記事を書くのは、私のような人間がいることを知っていただくことはもちろん、私と同じような特性の人々の力になりたい、そういう気持ちがあるのです。
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これからも、発達の特性について様々なことを情報発信していきます。
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お悩みの皆さまや周りの方々は、私でよろしければこちらからお気軽にご相談くださいませ。
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お読みいただき、ありがとうございました。