1577.サン・マルコ広場の対岸にある、サン・ジョルジョ・マッジョーレ島。【ヴェネツィア ~第二の故郷~ 第13回】
2025/09/12
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ヴェネツィア ~第二の故郷~
私はイタリアの「水の都」と呼ばれる街、ヴェネツィアに約1年間留学した経験があります。
『ヴェネツィア ~第二の故郷~』と題した本企画は、私がヴェネツィア留学の思い出をヴェネツィア出身という設定のオリジナルキャラクター「マルコ」「キアーラ」とともに語っていく企画です。
それでは今回も前回に引き続き、マルコとキアーラにいろいろと語っていただきましょう。
13回目の今回は「サン・ジョルジョ・マッジョーレ(San Giorgio Maggiore)島」について書いてみます。
サン・ジョルジョ・マッジョーレ島
サン・ジョルジョ・マッジョーレ島は、前回ご紹介したジュデッカ島の隣に位置する島です。サン・マルコ広場のちょうど対岸に位置しております。
こちらの画像がサン・ジョルジョ・マッジョーレ島です。今回はこちらの島をマルコとキアーラに解説していただきましょう!
マルコとキアーラによる解説

(画像はイメージです。)
※これらのキャラクターのイラストはChatGPTにより制作したものです。セリフの文章もChatGPTで生成したものに私が手を加えております。解説される歴史的内容は諸説ある場合があります。参考程度にご覧くださいませ。
この色が右にいる男性・マルコの発言です。
この色が左にいる女性・キアーラの発言です。
そしてこの色は私による文章です。
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チャオ、マルコ!チャオ、キアーラ!ヴェネツィア本島の南、サン・マルコ広場の対岸にあるサン・ジョルジョ・マッジョーレ島について解説してみて!前回のレデントーレ教会と同じアンドレーア・パッラーディオが設計したサン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂があることでも有名な島ですよね。
チャオ!今日はサン・ジョルジョ・マッジョーレ島について語ろうか。ヴェネツィア本島のサン・マルコ広場からすぐ対岸に見える小さな島で、でも存在感は抜群だよね。観光客もあの白い大理石のファサード(建築物正面のデザイン)を一度は目にして、「あの教会は何だろう?」と気になるはずなんだ。
チャオ!その教会こそが、アンドレーア・パッラーディオが設計したサン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂なのよね。16世紀後半に建てられた建築で、ルネサンス建築の傑作のひとつとされているの。白い大理石の正面は、古代神殿を思わせる荘厳さで、サン・マルコ広場から見ても実に映えるのよ。
パッラーディオといえば、古典建築の美学を現代に蘇らせた巨匠だからね。ギリシャ・ローマ風の柱やペディメントを組み合わせたデザインは、彼の特徴でもある。この聖堂は特に調和が美しく、内部に入ると高い天井とシンプルで明快な構成が訪れる人を圧倒するんだ。
内部も素晴らしいのよね。ティントレットの大作『最後の晩餐』が飾られているのも有名だわ。巨大なキャンバスに描かれたドラマティックな光と影の表現は、訪れる人に強烈な印象を与えるの。サン・ジョルジョ・マッジョーレ島は小さいけれど、芸術的価値では本島に劣らないくらいの宝を抱えているのよ。
それに忘れてはいけないのが、聖堂の鐘楼だね。エレベーターで上に登れるんだけど、そこから眺める景色は本当に圧巻なんだ。サン・マルコ広場やドゥカーレ宮殿、リアルト橋まで、ヴェネツィアの主要な景色を一望できる。観光客が密集するサン・マルコの鐘楼よりも、静かで落ち着いた雰囲気の中で絶景を楽しめるんだよ。
そうそう!サン・マルコの鐘楼と比べて混雑も少なくて、ゆったりと景色を楽しめるのがいいのよね。ラグーナ越しにヴェネツィア本島を望む構図は、まるで絵画のように美しいの。夕暮れ時に行くと、空がオレンジや紫に染まって、サン・マルコ広場のシルエットが浮かび上がる光景は本当にロマンティックよ。
島自体も修道院が中心で、観光地化されすぎていないのが魅力だね。ベネディクト会修道院が今も活動していて、静けさに包まれている。ヴェネツィアの人混みからほんの数分離れるだけで、別世界のような落ち着きを感じられるんだ。
だからこそ、ここは「ヴェネツィアの隠れたオアシス」と言えるかもしれないわね。観光客が多い本島とは対照的に、穏やかな時間が流れている。建築、絵画、景色、静寂――この島にはヴェネツィアの魅力が凝縮されているのよ。
確かに。サン・ジョルジョ・マッジョーレ島は小さいけれど、ヴェネツィアを理解するうえで欠かせない場所だと思う。パッラーディオの芸術性と、島全体が醸し出す静けさが、訪れる人の心を豊かにしてくれるんだ。
そうね。そして何より、サン・マルコ広場からふと対岸を眺めたときに、この島の聖堂が凛として佇んでいる姿は、まるでヴェネツィアを守っている守護者のようにも見えるの。だから私はこの島が大好きなのよ。
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マルコ、キアーラ、グラツィエ!(ありがとう!)
こちらがサン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂のファサード(建築物正面のデザイン)です。
前回の解説でアンドレーア・パッラーディオという建築家を知り、そこからパッラーディオについて調べているとサン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂も設計したことを新たに知って今回の解説をお願いしてみました。
『最後の晩餐』はレオナルド・ダ・ヴィンチによるあまりにも有名な絵画は存じ上げておりましたが、ヴェネツィアで活躍したティントレットという画家も最後の晩餐を題材にした絵画を描いていて、それがサン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂に展示されているのですね。
私はヴェネツィア留学中にサン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂を訪れたのですが・・・、その目的は図書館があることからでした。
なんと、図書館がサン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂の建物内部にあるのです。ただ留学生として現地に住んでいるだけでは、この場所がそんなに名建築であるとは知りませんでした。マルコとキアーラに誠に感謝します。
Googleストリートビューでもティントレットによる『最後の晩餐』がご紹介されておりました!
左がサン・ジョルジョ・マッジョーレ島の鐘楼で、右がサン・マルコ広場の鐘楼です。どちらも私は上ったことがないのですが、良い景色が見えることでしょう。
それにしても、ヴェネツィアは本島はもちろんですが、他の島々も様々な歴史がありますね。これからもヴェネツィアの様々な場所を深掘りしていこうと思います。
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それではまた次の回で。チャオ!
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お読みいただき、ありがとうございました。
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