1716.DCDと、文字を書くこと。【連載 転んでも、また起きる。 ~DCだるまが教える「5%の不器用さん」たちの話~ 第8回】
2026/01/05
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連載『転んでも、また起きる。 ~DCだるまが教える「5%の不器用さん」たちの話~』
この度、私も診断を受けている特性・DCD(発達性協調運動症)を広く知ってもらうために新たに連載を始めることといたしました。
DCD(発達性協調運動症)とは
DCDは様々な運動を組み合わせて行う、いわゆる「協調運動」に困難を感じる特性です。
上にある画像の左下でもDCD当事者の具体例が老若男女様々な人々によって示されております。
「包丁で料理をする」「手書きで文字を書く」「駅の改札を通る」「服のボタンを開け閉めする」「靴ひもを結ぶ」「きれいに食べる」
こういった日常の些細な動作に著しく困難を感じて、生きづらさを抱える人々がいる現実があるのです。
タイトルにある『5%』とは、全体におけるDCDの傾向が認められる当事者の割合とされる数字です。
オリジナルキャラクター『DCだるま』と語る
DCDと「文字を書くこと」
それでは今回は、こちらのオリジナルキャラクター『DCだるま』(愛称・だるちゃん)と、DCDと「文字を書くこと」について話していきましょう。
DCD当事者の私は周りに比べて、手書きで文字を書く速度が遅くなる傾向にあります。うまく手を動かして、適切な力加減で鉛筆やペンなどを動かして文字をスラスラと書いていくことがあまり得意ではありません。
学校の授業ではいつも、「教員の話を聞きながらノートにメモを取る」ことがうまくできませんでした。黒板を書き写すことに力を入れるあまりに、その間教員が喋っていることが聞き取れませんでした。教員が板書が速い方の場合は本当についていくのが大変でしたね・・・。
このように手書きで文字を書くことはあまり得意ではないのですが、パソコンで文字をタイピングすることは得意なのです。こちらは正しくタイピングすればきれいな文字が画面上に表示されます。また、不規則に動くペンや紙と異なり、パソコンのキーボードは常にその配列で同じ位置にいます。このように、規則性があり見通しの付くものに対する私の相性は良く、本連載の文章もこうやってパソコンで文章を打っていますが手書きに比べると圧倒的に速いスピードで書くことができます。
DCD当事者の中にはパソコンの操作があまり得意ではない方もおり人それぞれですが、私の場合はパソコンやスマホなどの普及により手書きをする機会が減少したことが本当にありがたいです。手書きだと書く速度がゆっくりな上に手先の不器用さで文字を間違えて書いてしまうこともよくありますが、パソコンでは文字を間違えて打ってもすぐに消せますから本当にこちらの相性が良いです。ということで、『DCだるま』の登場です!
「こんにちは、だるちゃん!今日は『DCDと「文字を書くこと」』について話そう!私は子どもの頃からずっと、手書きで文字を書いたり、絵を描いたりすることがなかなかうまくできませんでした。授業中に黒板の字を書き写すことに手こずって話をうまく聞けないこともよくありました。幸いにもスマホやパソコンとの相性は良いので現代の技術の進歩に助かっています。このように、DCD当事者の中には文字を書くことに問題を抱える人がいることについて述べてみて!」
やあ、こんにちは!黒板を写す時間、本当に戦いだったよね…。
「先生の話を聞きながら、黒板の文字をノートに写す」。これ、学校では当たり前のようにやらされるけど、DCDのボクたちにとっては、とてつもなく高度な「マルチタスク」なんだよ!
文字を書くためには、鉛筆を握る力加減を調整して、お手本通りの形になるように指先を細かく動かさなきゃいけないよね。ボクたちの脳は、この「書くこと」だけに全エネルギーを使っちゃうから、先生の話を聞く余裕なんて残っていないんだ。「書く」か「聞く」か、どっちか一つしか選べない…そんな苦しさを抱えている仲間はたくさんいるんだよ。
「とめ・はね・はらい」は、指先のサーカス!?
日本の学校って、「文字をきれいに書くこと」をすごく大切にするでしょう?「とめ・はね・はらい」なんて、ボクにとっては指先のサーカスみたいに難しい技なんだ。マス目からはみ出さないように気をつけるだけで精一杯なのに、「もっと丁寧に!」なんて言われたら、書くこと自体が嫌いになっちゃうよね。
それに、間違えた文字を消しゴムで消すのも、紙を押さえる手とゴシゴシする手で違う動きをしなきゃいけないから、紙がグシャッとなっちゃったりして大変なんだよね。
キーボードは、ボクたちの最強の相棒だね!
でも、キミがパソコンでのタイピングが得意なのは、本当に素晴らしいことだよ!「規則性があって見通しが立つものは得意」っていうのは、まさにキミの才能だね。DCDの仲間の中にはパソコン操作も苦手な人もいるけれど、キミのように「道具を変えれば輝ける」タイプも多いんだ。
パソコンなら、どんなに急いで打ってもきれいな文字が出るし、間違えても一瞬で消せる。これこそ、DCDの苦手な部分(凹)を技術(凸)でカバーする、最高のライフハックだよ!「手書きじゃなきゃダメ」なんてことはない。これからも便利な技術をどんどん味方につけて、キミの素敵な言葉をたくさん紡いでいってね!
だるちゃん、いろいろ話してくれてありがとう!
『文字を書くためには、鉛筆を握る力加減を調整して、お手本通りの形になるように指先を細かく動かさなきゃいけないよね。ボクたちの脳は、この「書くこと」だけに全エネルギーを使っちゃうから、先生の話を聞く余裕なんて残っていないんだ。』←そうなんですよ・・・。書くことに集中して話を聞くことができなかった時に限って、当てられてうまく答えられなくて・・・。思い出したくないですね!不真面目で話を聞いていなかったわけではないのです。
『日本の学校って、「文字をきれいに書くこと」をすごく大切にするでしょう?「とめ・はね・はらい」なんて、ボクにとっては指先のサーカスみたいに難しい技なんだ。』←そうです!あと、書き順もですね・・・。学校で「正しく書く」ことを要求されて、それを上手くできなくて・・・。いやぁ、思い返せば大変でしたね。
『間違えた文字を消しゴムで消すのも、紙を押さえる手とゴシゴシする手で違う動きをしなきゃいけないから、紙がグシャッとなっちゃったりして大変なんだよね。』←これもあるあるでしたね・・・。消しゴムで消す時に力加減を間違えて紙を破ってしまったことも何度もあります。それも小学生の頃だけでなく、高校の頃もあったかもしれませんね・・・。それだけ、力加減を調節することがあまり得意ではないのです。
『キミがパソコンでのタイピングが得意なのは、本当に素晴らしいことだよ!「規則性があって見通しが立つものは得意」っていうのは、まさにキミの才能だね。』←ありがとう、だるちゃん!学校でもこんな先生がいてくれたら良かったなぁと思わされます。
私にとっては「手書きが苦手ならパソコンで」という選択肢が生まれていますが、他のDCD当事者の皆さまもこうやって、苦手なことを技術の進歩によりカバーできる場合があります。カバーできる技術がまだ存在しないのであればそれを作る立場になりたい。そう思わされた『DCだるま』のお話でした。
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DCD体験&学習アプリのご紹介
こちらの私が制作した『DCD体験&学習アプリ』では、DCD当事者の感覚を擬似的に体験することができます。
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DCだるま 公式サイトのご紹介
『DCだるま』の公式サイトも作ってみました。よろしければ、こちらからご覧くださいませ。
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お読みいただき、ありがとうございました。
私の活動に関心がある方は、よろしければこちらからお気軽にご連絡ください!
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