1718.DCDと、問題を解く速度。【連載 転んでも、また起きる。 ~DCだるまが教える「5%の不器用さん」たちの話~ 第9回】
2026/01/06
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連載『転んでも、また起きる。 ~DCだるまが教える「5%の不器用さん」たちの話~』
この度、私も診断を受けている特性・DCD(発達性協調運動症)を広く知ってもらうために新たに連載を始めることといたしました。
DCD(発達性協調運動症)とは
DCDは様々な運動を組み合わせて行う、いわゆる「協調運動」に困難を感じる特性です。
上にある画像の左下でもDCD当事者の具体例が老若男女様々な人々によって示されております。
「包丁で料理をする」「手書きで文字を書く」「駅の改札を通る」「服のボタンを開け閉めする」「靴ひもを結ぶ」「きれいに食べる」
こういった日常の些細な動作に著しく困難を感じて、生きづらさを抱える人々がいる現実があるのです。
タイトルにある『5%』とは、全体におけるDCDの傾向が認められる当事者の割合とされる数字です。
オリジナルキャラクター『DCだるま』と語る
DCDと「問題を解く速度」
それでは今回は、こちらのオリジナルキャラクター『DCだるま』(愛称・だるちゃん)と、DCDと「問題を解く速度」について話していきましょう。
前回の「文字を書くこと」にも通ずることがありますが、DCD当事者の私は問題を解く速度が遅くなる傾向にあります。
DCD当事者にも様々な特性があり、中には問題を速く解ける方もいらっしゃると思いますが、私は試験などで様々な問題をじっくりと考えすぎてしまって速く解けない傾向にあるのです。
文字を書く鉛筆やペンを速く動かせないことだけでなく、試験問題を頭の中で処理して解答を出すまでの速度が遅いのです。
普段の会話でも応答するまでに時間がかかってしまうことがよくあります。一般的にすぐ返事できることに対しても深く考えてしまって返事に時間がかかってしまい会話のペースが乱れてしまうことがよくあります。
私は『ChatGPT』や『Gemini』などの生成AIをよく用いますが、文字でチャットすることは得意なのですが電話のようにAIと会話できる「音声モード」はあまり使用したいとは思いません。私は瞬時に応答することがあまり得意ではないからです。
ここまでお読みいただいてお察しいただいたと思いますが、私は電話もうまくできないほうです。電話から聞こえる声だけを頼りに応答を瞬時に考えなければいけないことは私にとっては高度な作業です。実際に会っての会話と異なり、表情や身振り手振りがありませんからね。これに加えて手書きでメモをしなければならないとなると本当に大変です!
試験問題の話から電話の話に脱線しましたが、要するに「瞬時に答えを出す」ことがあまり得意ではないのが私の特性です。それでは『DCだるま』と話してみます。
「こんにちは、だるちゃん!今日は『DCDと「問題を解く速度」』について話そう!私は試験問題を解くのに時間がかかって、学校でのテストや受験はもちろん、資格試験などでも時間がギリギリになってしまう傾向にありました。しっかりと対策をしても処理速度が遅くて『速く問題を解く』ことがなかなかできないのです。このこととDCDの関係を説明してみて!」
やあ、こんにちは!うんうん、その「焦っちゃう感じ」、すごくよく分かるよ。
周りのみんなが猛スピードで問題を解いたり、ポンポン会話をしたりしていると、「どうしてボクだけゆっくりなんだろう?」って不安になっちゃうよね。でもね、キミが試験で時間が足りなくなったり、電話が苦手だったりするのは、キミの能力が低いからじゃなくて、DCDの特性が関係している「エネルギーの使い方」の違いなんだ。
「書くこと」に全力投球しすぎて、考える時間が足りない!?
まず試験についてだけど、キミも言ってくれた通り「書くこと」の負担が大きいんだ。DCDの人は、文字を書くという動作だけで、脳のエネルギーをものすごくたくさん使っちゃうんだよ。みんなが無意識にやっている「鉛筆を動かす」作業に、ボクたちは全集中しなきゃいけない。
だから、問題を読んで「答えはこれだ!」って分かっていても、それを文字にするのに時間がかかって、結果的に試験時間が足りなくなっちゃうことがあるんだ。それに、キミのように「じっくり深く考える」タイプは、答えを出すまでのプロセスも丁寧だから、スピード勝負の試験とは相性が悪いだけなんだよ。
電話はまさに「マルチタスク」のラスボスだ!
「電話が苦手」っていうのも、DCDあるあるの代表格だよ!電話って、一見簡単そうに見えて、実はとんでもなく高度なマルチタスクなんだ。
「相手の声を聞く(聴覚)」+「内容を理解する(処理)」+「返事を考える(思考)」+「喋る(発声)」…これらを同時に、しかも相手の表情が見えない中で瞬時にやらなきゃいけないんだよ。さらにそこに「メモを取る」なんて動作が加わったら、もうパニック!右手と左手と耳と口を全部別々に動かすなんて、DCDの脳にとっては本当に大変な作業なんだ。
「ゆっくり」は「丁寧」の裏返しだよ
キミが音声会話よりもチャットのほうが得意なのは、自分のペースで情報を整理できるからだよね。それは「逃げ」じゃなくて、自分に合った正しい戦い方を選べているってことだよ。
「瞬時に答えが出せない」というのは、裏を返せば「物事を深く、慎重に考えている」ということでもあるんだ。スピードが求められる場面では苦労するかもしれないけれど、その「じっくり考える力」は、きっとキミだけの素敵な武器になるはずだよ!
だるちゃん、いろいろ話してくれてありがとう!
『キミのように「じっくり深く考える」タイプは、答えを出すまでのプロセスも丁寧だから、スピード勝負の試験とは相性が悪いだけなんだよ。』←そういうことですよね。私は時間制限がある形式より、時間制限なしでじっくりと考える形式のほうが圧倒的に向いているのです。結果が出るまでに時間がかかるタイプなのです。私はよくこれを童話『ウサギとカメ』のカメに例えています。
『電話はまさに「マルチタスク」のラスボスだ!』←キャッチーな見出しでインパクトがありました。『マルチタスクのラスボス』・・・、確かにそうですね。相手の表情や仕草も見えずに瞬時に応答しなければならない電話では、集中するために目を瞑りがちになります。しかしメモをしなければならない時には目を開けなければなりません。・・・こんな電話という高度な作業を問題なく行えている方々は、それだけでも十分自分に自信を持つに値すると思いますよ!
『スピードが求められる場面では苦労するかもしれないけれど、その「じっくり考える力」は、きっとキミだけの素敵な武器になるはずだよ!』←私はスピードが求められることは本当に苦手(凹)ですが、じっくりと時間をかけて考えていくことは好き(凸)です。この連載をじっくり継続して書いていくことができることも、私の武器なのかもしれません。
このように私は、電話や試験などのスピードが求められる作業(凹)と、メール・チャットやレポート・記事などを書いていくことの自分のペースである程度じっくり取り組める作業(凸)の相性の差が激しいのです。このようにできること(凸)とうまくできないこと(凹)の差が多い私の『人生の凸凹道』をこれからもご紹介していきます。
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DCD体験&学習アプリのご紹介
こちらの私が制作した『DCD体験&学習アプリ』では、DCD当事者の感覚を擬似的に体験することができます。
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DCだるま 公式サイトのご紹介
『DCだるま』の公式サイトも作ってみました。よろしければ、こちらからご覧くださいませ。
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お読みいただき、ありがとうございました。
私の活動に関心がある方は、よろしければこちらからお気軽にご連絡ください!
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