1721.DCDと、固有受容感覚。【連載 転んでも、また起きる。 ~DCだるまが教える「5%の不器用さん」たちの話~ 第12回】
2026/01/09
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連載『転んでも、また起きる。 ~DCだるまが教える「5%の不器用さん」たちの話~』
この度、私も診断を受けている特性・DCD(発達性協調運動症)を広く知ってもらうために新たに連載を始めることといたしました。
DCD(発達性協調運動症)とは
DCDは様々な運動を組み合わせて行う、いわゆる「協調運動」に困難を感じる特性です。
上にある画像の左下でもDCD当事者の具体例が老若男女様々な人々によって示されております。
「包丁で料理をする」「手書きで文字を書く」「駅の改札を通る」「服のボタンを開け閉めする」「靴ひもを結ぶ」「きれいに食べる」
こういった日常の些細な動作に著しく困難を感じて、生きづらさを抱える人々がいる現実があるのです。
タイトルにある『5%』とは、全体におけるDCDの傾向が認められる当事者の割合とされる数字です。
オリジナルキャラクター『DCだるま』と語る
DCDと「固有受容感覚」
それでは今回は、こちらのオリジナルキャラクター『DCだるま』(愛称・だるちゃん)と、DCDと「固有受容感覚」について話していきましょう。
『固有受容感覚』とは前回の『DCだるま』のお話によると、「筋肉がどれくらい力を使っているかを感じるセンサー」のことだそうです。
私のような一部のDCD当事者の中には、この『固有受容感覚』がうまく機能しないことにより力加減の調節がうまくいかないことが考えられます。
今回は『DCだるま』に、この固有受容感覚についてわかりやすく解説していただきましょう!
「こんにちは、だるちゃん!今日は『DCDと「固有受容感覚」』について話そう!前回、だるちゃんは固有受容感覚を[筋肉がどれくらい力を使っているかを感じるセンサー]だと説明してくれたね。この固有受容感覚についてもっと詳しく説明してみて。私のような一部のDCD当事者はこの固有受容感覚がうまく機能しないことでどういった生きづらさがあるかも考えてみて!」
やあ、こんにちは!今日も一緒に「体の不思議」を探検しよう!
「固有受容感覚(こゆうじゅようかんかく)」…なんだか必殺技みたいな名前だよね!前回は「力のセンサー」って説明したけど、実はもう一つ、とっても大事な役割があるんだ。それは「身体のGPS」みたいな役割だよ。
目をつぶっても、自分の手の場所がわかる?
普通、目をつぶっていても「今、右手がどこにあるか」とかなんとなく分かるよね?これが固有受容感覚のおかげなんだ。でも、DCDの特性があるボクたちは、この「体のGPS」の電波がちょっと弱いことがあるんだよ。
だから、自分の手や足が今どうなっているのか、見ないとよく分からないことがあるんだ。ずっと自分の手元や足元を目で見て確認しながら動かないといけないから、普通の人よりも何倍も目が疲れちゃうし、脳もヘトヘトになっちゃうんだよね。
「力の加減」が分からないのは、センサーが鈍感だから
前回話した「ドアをドーン!と閉めちゃう」のも、この感覚のセンサーが鈍感だからなんだ。普通なら「カチャッ」と閉まる手ごたえを感じて力を抜くところを、ボクたちはその手ごたえを感じにくいから、「閉まった!」って確実に感じるために、無意識に全力で押し込んじゃうんだよ。
鉛筆をギュッと握りしめちゃうのも同じ。「持ってる感」が薄いから、落とさないように必死で握りしめて、結果的に芯が折れちゃうんだね。
よくぶつかるのも、距離感がつかめないから
机の角に小指をぶつけたり、ドア枠に肩が当たったりすることはない?これも固有受容感覚のいたずらなんだ。「自分の体の幅はこれくらい」っていうボディイメージが少しあやふやだから、自分では避けたつもりでも、距離感がズレてぶつかっちゃうんだよ。
だからね、キミがよく物を壊したり、ぶつかったりするのは、キミが乱暴者だからじゃない。「センサーの感度がちょっと違うだけ」なんだ。自分のせいだって責めないで、「ボクのGPS、今日はちょっと調子が悪いな〜」くらいの気持ちで、ゆっくり動いてあげようね!
だるちゃん、いろいろ話してくれてありがとう!
『前回は「力のセンサー」って説明したけど、実はもう一つ、とっても大事な役割があるんだ。それは「身体のGPS」みたいな役割だよ。』←なるほど・・・「身体のGPS」としての役割もあるのですね。確かに私も特に慣れていない動作をする際は身体を見ながら慎重に動く傾向にあるかもしれません。それも、いわゆる「身体のGPS」がうまく機能していないのかもしれませんね。
『普通なら「カチャッ」と閉まる手ごたえを感じて力を抜くところを、ボクたちはその手ごたえを感じにくいから、「閉まった!」って確実に感じるために、無意識に全力で押し込んじゃうんだよ。』←そういうことなのですね。ドアを閉める際にしっかりとした手応えを感じにくいのは、共感できる気がします。鉛筆で書く際の力加減も人より強い力を入れたほうが「書いている感」が得られやすいのでしょう。
『「ボクのGPS、今日はちょっと調子が悪いな〜」くらいの気持ちで、ゆっくり動いてあげようね!』←こうやって気楽に考えることは、あらゆる分野において大事ですね。・・・とはいえ集団で行動する際に私だけ動作がぎこちなければ集団の足を引っ張ってしまいます。・・・これが私にとっては堪え難いものがありますね。
DCDに伴う固有受容感覚がうまく機能しないことを「身体のGPS」と捉える意見は斬新だと思いました。私と同じように悩んでいるDCD当事者(診断を受けていなくても不器用さは動作の鈍さで悩んでいる皆さま)のためにも、もうしばらくこの連載を続けていくことでしょう。
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DCD体験&学習アプリのご紹介
こちらの私が制作した『DCD体験&学習アプリ』では、DCD当事者の感覚を擬似的に体験することができます。
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『DCだるま』の公式サイトも作ってみました。よろしければ、こちらからご覧くださいませ。
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