1720.DCDと、力加減。【連載 転んでも、また起きる。 ~DCだるまが教える「5%の不器用さん」たちの話~ 第11回】
2026/01/08
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連載『転んでも、また起きる。 ~DCだるまが教える「5%の不器用さん」たちの話~』
この度、私も診断を受けている特性・DCD(発達性協調運動症)を広く知ってもらうために新たに連載を始めることといたしました。
DCD(発達性協調運動症)とは
DCDは様々な運動を組み合わせて行う、いわゆる「協調運動」に困難を感じる特性です。
上にある画像の左下でもDCD当事者の具体例が老若男女様々な人々によって示されております。
「包丁で料理をする」「手書きで文字を書く」「駅の改札を通る」「服のボタンを開け閉めする」「靴ひもを結ぶ」「きれいに食べる」
こういった日常の些細な動作に著しく困難を感じて、生きづらさを抱える人々がいる現実があるのです。
タイトルにある『5%』とは、全体におけるDCDの傾向が認められる当事者の割合とされる数字です。
オリジナルキャラクター『DCだるま』と語る
DCDと「力加減」
それでは今回は、こちらのオリジナルキャラクター『DCだるま』(愛称・だるちゃん)と、DCDと「力加減」について話していきましょう。
私は力加減を調節することがうまくいかないことがよくあります。
日常では例えば、ドアを閉める際に力を入れすぎて「ドーン!」と大きな音で閉まってしまうことがあります。文字を鉛筆で書く際も、筆圧が強くなりすぎて芯が折れてしまうことが人より多いことでしょう。
食品の容器を開ける際にも、力加減を間違えてしまい中身をこぼしてしまう確率が人より高い傾向にあります。
このように、DCDの『不器用さ』が、私には『力加減をつけづらい』ことに表れています。
前回にはDCDとASDの関係について述べましたが、この両方の診断を受けている私は、力加減をうまく調節できないことはASDの『想像力の欠如』と呼ばれる特性に通づるところがあります。
そんな力加減について、今回も『DCだるま』に話していただきましょう!
「こんにちは、だるちゃん!今日は『DCDと「力加減」』について話そう!DCD当事者の私は不器用さが力加減をうまく調節できないことに表れがちです。そんなDCDと力加減の関係について話してみて!」
やあ、こんにちは!「ドーン!」ってなっちゃうこと、あるあるだよね!
ドアを閉めるときに思わず大きな音が出ちゃったり、鉛筆の芯がポキッと折れちゃったり…。わざとやっているわけじゃないのに、周りの人がビックリしちゃうと、「ごめんね」って申し訳ない気持ちになっちゃうよね。でもね、それはキミが乱暴なんじゃなくて、DCDの特性によって「力加減の調節」がとっても難しいからなんだ。
脳の「ボリューム調整」がちょっと苦手なんだ
体を動かすとき、脳は「どのくらいの強さで筋肉を動かすか」という指令を出しているんだ。でもDCDの場合、この「強さのボリュームつまみ」の調整がうまくいかないことがあるんだよ。ちょうどいい「弱」や「中」に合わせたいのに、気づいたら「強」に入っちゃう…そんなイメージかな。
特に字を書くときは、鉛筆をうまく支えられなくて(把持が安定しなくて)、それをカバーしようとして無意識にギュッと強く握りしめちゃうことが多いんだ。だから筆圧が強くなって、芯が折れたり、手がすごく疲れちゃったりするんだね。
「感覚」の鈍感さも関係しているかも?
キミがASDの特性とも関係しているかもって言っていたけど、それは大正解!実はね、筋肉がどれくらい力を使っているかを感じるセンサー(固有受容感覚)が、少し鈍感な場合があるんだ。そうすると、弱く握っていると「持っている感じ」がしなくて不安になっちゃう。だから、手応えを感じるために、必要以上に強い力を入れてしまうことがあるんだよ。ASDの人が持つ「身体感覚の特異性」が、DCDの不器用さと合わさって、余計にコントロールを難しくしているのかもしれないね。
道具や工夫で、やさしくなれるよ
ドアにはクッション材を貼ったり、鉛筆の代わりに折れないボールペンやシャープペンを使ったりするのも、立派な解決策だよ。自分の力のコントロールだけに頼らず、道具に助けてもらうのは賢い「工夫」だね!
だるちゃん、いろいろ話してくれてありがとう!
『体を動かすとき、脳は「どのくらいの強さで筋肉を動かすか」という指令を出しているんだ。でもDCDの場合、この「強さのボリュームつまみ」の調整がうまくいかないことがあるんだよ。』←これはわかりやすい説明ですね。脳のボリューム調整がうまくいかないのですね。どれくらいの強さにすれば良いかの間隔がうまく掴みづらい私のDCDによる特性のイメージをつかめますね。
『実はね、筋肉がどれくらい力を使っているかを感じるセンサー(固有受容感覚)が、少し鈍感な場合があるんだ。そうすると、弱く握っていると「持っている感じ」がしなくて不安になっちゃう。』←なるほど・・・。確かに力加減が弱すぎると不安になることはあるかもしれません。私も『DCだるま』が言うように『固有受容感覚』が鈍感なのかもしれませんね。
『ドアにはクッション材を貼ったり、鉛筆の代わりに折れないボールペンやシャープペンを使ったりするのも、立派な解決策だよ。自分の力のコントロールだけに頼らず、道具に助けてもらうのは賢い「工夫」だね!』←私もこうやって苦手意識があるものを意識的に避けていますね。自分一人だとそれで良いのですが、誰かと行動する場合は苦手なことにも挑戦しなければなりませんから、そこは大変ですね・・・。
今回は『固有受容感覚』という言葉が出てきました。次回はこれを掘り下げてみようと思います。
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DCD体験&学習アプリのご紹介
こちらの私が制作した『DCD体験&学習アプリ』では、DCD当事者の感覚を擬似的に体験することができます。
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DCだるま 公式サイトのご紹介
『DCだるま』の公式サイトも作ってみました。よろしければ、こちらからご覧くださいませ。
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お読みいただき、ありがとうございました。
私の活動に関心がある方は、よろしければこちらからお気軽にご連絡ください!
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